2009年05月30日

「フォーレのレクイエム」セミナーに行く

日本フォーレ協会が主催したセミナー「フォーレのレクイエム・歌曲」の1日めである、レクイエムの部に行ってきた。妙におもしろかった。

私はフォーレ協会主催のコンサートには何度か行ったことがあるが、研究会やセミナーに参加したのは初めてである。最初は迷っていたが、参加することにした。場所は東京藝術大学(以下芸大)音楽学部大講義室 5-109 であった。

セミナーでは、参加者が歌うので、楽譜を持参のこと、とあった。私は、3年前買った Dover 版のスコアしかなく、合唱用は持っていない。参加を決めた時点で職場や通勤途中の駅近くで楽譜を売っているところがないか探したが、ないことを知り愕然とした。結局、スコアを見ることにして、腹を括った。

セミナー開始は午後1時。芸大は上野駅についてからが長い。久しぶりに行くので道順を忘れてしまった。幸い、足が覚えているところに向かったら着いた。時間には間に合った。

最初は野平多美さんの「楽曲分析」。興味深い論考が披露されたが、おそらくそういうことは協会の「フォーレ手帖」に乗るだろうし、それをここで書いてはまずいだろうから割愛する。当人も主観(独断?偏見?)といっていたような気がしたが、楽曲分析と思い込みは紙一重の危うい世界だと私は思っている。

次は座談会。「レクイエムの演奏、日本での受容について」4人の専門家による話。実際には座談というより、4人が交代で自分の持ちネタを話す、という感じだったが、時間からして必然だろう。最初に紹介されたのが、世界初録音のフォーレのレクイエムのSP復刻版から「ピエ・イェズ」の冒頭だった。非常に遅く、清らかな声のソプラノだったことに驚いた。ポルタメントは当時だから確かにかかっていたが控えめだったので安心した。そして、次に2番目に録音されたLPの演奏も同じ箇所で紹介された。こちらはより細い声で、ポルタメントがかなりかかっていたので、私には耐えがたかった。

座談会のあとは、三林輝夫さんのポイントレッスン。もちろん、フォーレのレッスンもあったが、フォーレに直接関係のない発声法の教授や、合間に話される挿話もあった。実際には、最後のレクイエムの全曲演奏のリハーサルという趣であった。

最後に、レクイエム全曲演奏を、出席者の歌、ヴァイオリン、ハープ、ピアノによる伴奏で行った。
ヴァイオリンは小林美恵さん、なぜここにいるのか不明なぐらい著名な方である。ハープは岩城晶子さん、ピアノは相川陽子さん。

私はフォーレのレクイエムは歌ったことがない。生の演奏もアマチュアの楽団と合唱団で一度聞いたことがあるだけだ。大丈夫だろうか。
しかし、覚悟を決めて歌った。周りはみな慣れていそうな方々だ。右はかなりの年配の方、前はスリムな方、左は若くて秋川雅史みたいな髪型の方、後は誰だかわからないが、おそらく若かりし頃合唱団で鍛えた方だろう。
いざ歌ってみると、その後からの声がびんびん響くのだった。私はベースを歌ったのだが、私は低いほうのベース、後は高いほうのベースで、ときどき私は釣られて高いほうを歌いそうになった。

まあなんとか歌い終えて安堵した。自分で歌ってみると、今まで看過していたところが多くあることに気付いた。野平さんほどの分析は無理にしても、自分でももっといじってみたい、そう思った午後だった。

posted by まりんきょ at 20:52| Comment(0) | TrackBack(0) | フォーレ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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